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黒崎 譲; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 113(10), p.4060 - 4072, 2000/09
被引用回数:22 パーセンタイル:55.85(Chemistry, Physical)反応H+CHH+CH(1)及びこれを同位体置換した反応、HD+CHH+CHD(2), DH+CHD+CH(3),D+CHD+CHD(4),H+CDH+CHD(5)の反応速度定数を、トンネル補正を加えた変分的遷移状態理論により計算した。その結果、これらの反応に見られる同位体効果はほとんど一次同位体効果によるもので、二次同位体効果及び反応経路(IRC)の曲率の効果は比較的小さいことが明らかとなった。このことは、分子軌道計算からも明らかなように、これらの反応のポテンシャルが「early」であることに起因すると思われる。また、反応1と2の反応速度定数の計算結果は、実験結果とかなり良い一致を示した。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 110(22), p.10830 - 10842, 1999/06
被引用回数:20 パーセンタイル:53.61(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)の反応速度における同位体効果について、変分的遷移状態理論及び準古典的多次元トンネリング法を用いて理論的に考察した。まず、反応IとIIのポテンシャル面を量子化学的手法により計算した。次に、得られたポテンシャル面を用いて、多次元トンネリングを準古典的に考察した変分的遷移状態理論により反応速度定数を求めた。実験的には、5Kの固体パラ水素中で、反応IIの方が反応Iより反応速度が速いことが報告されている。ここでの計算の結果、理論的にも反応IIの方が反応Iよりも5Kで反応速度が速いことが予測され、実験結果を定性的に説明することができた。
高柳 敏幸; 黒崎 譲*; 横山 啓一; 佐藤 圭*; 綱島 滋*
Chemical Physics Letters, 312(5-6), p.503 - 510, 1999/00
被引用回数:9 パーセンタイル:28.11(Chemistry, Physical)分子軌道計算結果を用いて、N(D)+CH,CD反応の反応速度定数の変分的遷移状態理論計算を行った。計算値と実験値の比較から、量子力学的効果である非断熱過程が重要であることを明らかにした。さらにこのことを半定量的に確かめるために、正確な分子軌道理論を用いて、長距離領域でのポテンシャルエネルギー曲面の計算を行った。その結果ファンデルワールス領域でポテンシャルの交差が起こっていることがわかった。
黒崎 譲; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 111(23), p.10529 - 10536, 1999/00
被引用回数:13 パーセンタイル:39(Chemistry, Physical)反応H+HSHS+SHの速度定数を半古典多次元トンネリングによる補正を加えた変分的遷移状態理論により、100-2500Kの温度範囲で計算した。計算結果は広い温度範囲で実験値と一致した。特に室温付近での計算値と実験値の一致は極めて良好であった。本研究では、非経験的分子軌道計算によって得られたポテンシャルエネルギーを全く調整することなしに、反応速度の非アーレニウス的挙動を定量的に再現することができた。
高柳 敏幸; 黒崎 譲*; 佐藤 圭*; 三澤 和昭*; 小林 泰英*; 綱島 滋*
Journal of Physical Chemistry A, 103(2), p.250 - 255, 1999/00
被引用回数:34 パーセンタイル:71.42(Chemistry, Physical)N(D,P)とCH及びCDの反応速度定数を原子共鳴吸収法を用いて温度範囲223~298Kで測定した。温度依存から求めたアレニウスの活性化エネルギーはN(D)については1.5kcal/mol、N(P)については1kcal/molであった。H/Dの同位体効果はN(D)で1.8、N(P)では1.6と求められた。反応速度定数の絶対値についてはN(D)のほうが約40-60倍大きいことがわかった。N(D)+CH(CD)反応については分子軌道法より得られる反応経路の情報を用いて遷移状態理論の計算を行い、反応速度定数を実験値と比較した。その結果、非断熱遷移が重要な役割をしていることがわかった。
佐藤 圭*; 三澤 和昭*; 小林 泰英*; 松井 美穂*; 綱島 滋*; 黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Physical Chemistry A, 103(43), p.8650 - 8656, 1999/00
被引用回数:27 パーセンタイル:64.06(Chemistry, Physical)パルス放射線分解-原子共鳴吸収法を用いてN(D,P)原子とCH及びCDとの反応速度定数を測定した。分子軌道計算結果を用いた遷移状態理論により実験結果を解析した。その結果、非断熱遷移が重要であることを明らかにした。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 452, p.209 - 218, 1998/00
2,3-ジメチルブタンカチオン((CH)CHCH(CH),h-DMB)からのH脱離反応に対し、非経験的分子軌道計算を行った。構造最適化はUMP2/6-31G(d)レベルで行い、1点エネルギー計算をUMP3/6-31G(d)及びUMP4(SDTQ)/6-31G(d)レベルで行った。その結果、この反応は障壁が22-24kcal/molで26-29kcal/mol発熱的であることが予測された。非経験的分子軌道計算から得られたデータを用い、遷移状態理論に基づいて量子力学的(トンネル)効果を考慮した熱反応速度定数を求めると、h-DMBの反応の速度定数は77Kで約10sと予測された。h-DMBにおいて、脱離するHをDで置換したカチオン(d-DMB)の反応の速度定数は77Kで約10sと計算された。このことから、h-DMBからのH脱離反応にはトンネル効果が重要であることが示唆される。一方、h-DMBの反応速度定数に対する実測値は約12桁も大きい。これは量子化学計算のレベルがまだ低いことを示唆する。